プロローグ

7/9
前へ
/199ページ
次へ
でも俺は、正直『そういうモノ』ってあると思ってる。さっき辞書で調べてたのも、だから。別に『人魚』を捕まえてどうこうしようとかじゃねぇんだけど… 「蓮。お前また辞書で何調べてたんだよ??」 次の授業の為の移動をしながら、隆が蓮に話しかけました。 「お前なら、何となく予想ついてるんじゃねぇの??」 蓮が笑いながら隆に言いました。 「また…『人魚』を調べてたのか??」 「さすが。まぁ付き合い長いしな」 「てか、蓮は『それ』を調べてどうする気なんだ??」 「ただ、逢ってみたいだけなんだ…『人魚』と」 「会っててどうするんだよ??国に突き出して、金でももらう気か??」 「んな事するかよ。ただ、逢いたいんだ」 「まるで恋する乙女だな」 隆がため息をつくように言いました。 「お前は『そういうの』興味無いもんな」 「興味無いっていうか、今の世の中じゃ『そういうの』は無い事になってるじゃないか」 「だから…だろ??お前もわかってんだろ??」 「あぁ…わかってるよ」 2人が話している内に次の授業が行われる場所にたどり着きました。
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

103人が本棚に入れています
本棚に追加