壁の少女

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壁の少女

大阪にある某市立中学校の話。 本校舎から別棟に続く渡り廊下の窓から見える、本校舎側の壁に少女の形のシミがある。 かなりはっきり解る形で、白い壁に他の汚れとは明らかに違う黒ずみが。 耳の下辺りで髪を二つにくくっていて、セーラー服(その学校の旧制服)を着ている事まで解る。大きさは丁度人間の等身大。 但し、頭の先から、スカートの下まで。 つまり、脚らしきものはなかった。 丁度三階辺りにあるのだが、渡り廊下の窓からは手を伸ばしても届かない程そこそこ距離があり、下は一階の購買の屋根が見えていて、屋根の上で長いはしごでも使わない限りその場所には届かない。 つまり容易にいたずら書き出来る位置ではないのだ。 三年間通いましたが、雨で薄れる事も無く、 何故か生徒間での話題にも上らなかった。 ずっと不思議に思ったまま何事も無く卒業した。 あの少女のシミは、まだ残っているのだろうか……。
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