スズの決断

2/2
前へ
/36ページ
次へ
岳をラストシーンのコマ劇場前へ導いたのは他ならぬスズ自身だ。 突然スズに拒絶され、仮想世界から放り出された岳の元にメールが入る。 《『さっきはごめん。やっぱり、会いたい。』 (中略)  間違いない、現実だ!》 勢いこむ岳は待ち合わせ場所へ向かうのだが、 コマ劇場で待っていたのは非情な現実だった。 化粧してめかしこんだ、美しいスズが待ち合わせしていたのは…岳ではなく、なんと40過ぎの成金中年だったのだ! しなだれかかるスズ。 呼びかけても叫んでも答えないスズ。 哀れな岳は絶叫し…精神のバランスを失って現実を拒絶し、ナイフを手にスズへ向けて走り出してしまう。 だが…そもそも岳をこの場へ導いたのはスズである。 正確に言えば、現実世界の鈴ではなく、仮想世界で“天使”となったスズの仕業であるのだが…何故、スズは岳をコマ劇場へ導いたのだろうか。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加