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あんな話題を麻衣子に聞かせたくはなかった。そうしたら大切な休日を使ってまで、こんなめんどくさいことをしなくてもすんだのだろう、と文人はため息をつく。
同じクラスの秋村がインターネットで見つけてきた〝魔物がいる場所〟というサイト。
文人と麻衣子と秋村とあと数人で昼飯を食べているときに、話題が尽きてしまったその空間を保たせようと、秋村が出した耳よりな情報だった。なんでも、名前すら知らない駅の近くに、不思議な店があるらしい。
その店内には、人間を食らう人食いザメのような魔物がいて、それから逃げきると願い事が一つ叶う。または、店長に優しく接して、仲良しになるとその店長が願い事を叶えてくれるだとか、本人の秋村でさえ、話しているネタがすべるかすべらないか心配そうだった。
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