5人が本棚に入れています
本棚に追加
「フミ! ここかなぁ? うーん、ここだよね? いんや、きっとここのはずだわ」
麻衣子が、自動車がやっと一台通れるだろうという狭い通りで、一人で納得しながら目をやっていた先は、なんとも味気のない靴屋のようだった。
確かに地図にはここだと記されており、間違いはないのだろうが、文人はふと違和感を覚えた。
それは、いかにも魔物が出そうな暗い店だな、とか、店長っていったって店内の椅子(イス)に座っているのは明らかにおじいさん一人だよな、などという目に見えるものではなく、もっと深い場所で文人を戸惑わせた。
──……秋村のやつ……、靴屋なんて言ってたかなぁ。……確かアイツ、この場所は、ガラクタやらがたくさん置いてある骨董品(コットウヒン)屋だとかなんとか言ってたような気が──。
最初のコメントを投稿しよう!