始まり

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神山の言葉で植木が 「捺美さんが帰りたい言うなら引き返しても良いとばい?」 気を利かせて声を掛けてくれたものの、神山は首を激しく左右に振り「…もうすこし行く」と何度も呟いた。そんな神山の様子を見た3人はお互いに顔を見合わせ呆れた様な表情を浮かべ 「はぁ…わかった。寒い言いよったし上着貸しちゃるけん着とき?風邪引いたらいかんやろ?」 「暗くなりよるし後少しだけばい?」 「やっぱ捺美様頑固者やね。」 渋々ながらも神山の言葉を受け入れ歩きだした。ただただ無言の状態で細い道を突き進んで行った。 しかしその直後背筋がゾッとする感覚を3人が感じ取ると、まるで時が止まったかのよう誰も動かなくなってしまった。 ……神山1人を除いて。
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