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小磯健二。高校2年生。
この前に、数学オリンピックがあった。
とても自信があり、日本代表を夢見るほどでもあった。
「ハァ…」
僕はただ学校の机に体を預けていた。何をするにも皆よりワンテンポ遅れるほど、頭な中に何があるか、整理しきれていない。かなり暑いが、ウチワや下敷きでパタパタする動作さえ見付けられなかった。
周りみたいにワーワー叫び会う人もいなければ、相談を持ち掛けるほど仲の良い人もいない。言わば孤独だ。
皆に囲まれるのも苦手だし、話を盛り上げられるほど話術は持ってない。
こんな自分は見捨てられて当然か…
もう完全なる孤独だ。
自分を唯一見てくれていたと思っていた存在 ―数学― にも見捨てられるのだから。
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