数学の天才

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「ハァ…」 僕はいつもの姿勢でいつものため息をついた。 「まだションボリしてんの?」 そこへ話をかけてきたのは佐久間だった。佐久間は同じ物理部で、唯一少しは話のできる存在だ。しかし、佐久間もまた、僕を見捨てるのだろう。良いんだ。どうせ僕なんか…。 「おいおい、無視かよ~せっかく話かけてんのに」 「佐久間こそ、よく僕に話かけるな」 「なんだよその言い草」 僕はまたため息をついた。やっぱり佐久間は佐久間だ。本当に僕を見捨てるつもりだ。それより、見捨てるなら見捨てるで、さっさとそうすれば良いのに。健二は更にやる気をなくした。
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