第三章 目撃

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いつもの教室。 周りは、あと数日のゴールデンウィークの話で持ちきりになっていた。 カップルはもちろんデート。 運動部は関係なしに部活。 金があるところは海外旅行。 またある人は、祖父母の家に行く。 あの車好きの3人は、峠巡りをするらしい。 だが、そんな皆の予定とテンションを狂わせるように、先生が宿題を出してくる。 反発が出るが、いつも授業を聞いていないため評価をするためには、宿題をするしかないのだった。 ヒトミは、宿題が出ている事すら知らない。 放課後。 「ヒトミさん?」 ヒトミ「?」 後ろの席の物静かな女の子から宿題が渡される。 ヒトミ「ありがとう」 「いえ」 そして、速攻バイトへ。 この後、ヒトミが運命的な出会いをするとは誰も知らない。 いつものバイトが終わり、自転車で家に向かっていた時だった。 ビルも何もない交差点で信号に引っ掛かる。 車通りも少ないため、行こうかと思ったが轢かれるのもイヤなので待つ事に。 ヒトミは携帯を取りだしイジりはじめる。 歩行者用信号が点滅になった時だった。 遠くから、走行音が聞こえてきた。 いちも街中を走っているただウルサイだけのマフラー音かと思いきや・・・。途中で、アクセルを全開にしたようで音が変わった。 ヒトミ「ん?」 静かだった音がいきなり全開の音になり、思わず音がする方を見るヒトミ。 キキキキキィーーーーーーー‼‼‼‼‼‼‼‼‼ なんと、目の前でいきなり車が横を向く。ヒトミ「‼‼」 そして、走り去っていく。 また静かになり、目の前の信号は青になっている。 だが、ヒトミは動かなかった。 ヒトミ「今の・・・」 もう一度思い出してみる。 白い車で、ある程度車の形も確認した。 ヒトミ「あのクルマ、カッコイイ‼‼✨」 夜だった事もあり、ドライバーは見えなかった。 車をカッコイイと思ったのはいいが、その車が何なのかが分からない・・・。 しかし、誰もいない静けさが戻った交差点でヒトミは決断した。 「あのクルマに乗る‼‼」 と・・・。 第4章へとつづく
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