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目的地到着 「名刺の住所…此処でい…いんだよな?」 見上げるビルは、こじんまりとした、廃墟かと思うよな、オンボロ ポカーン 「来たね、上がって来て」頭の上から声がした。 見上げると高石が、窓から身を乗り出して、手を振ってる 「はぁ…何階まで行けば?」 「三階まで」 目の前のドアを開ける 本当にオンボロだな コンクリート剥き出しの階段 一段づつ上がって行く 徐々に頭は、冴えていく 〔オフィス TAKAISHI〕 そう書かれてるドアを開けた 「いらっしゃい」 高石が、何かをセットしながら、笑いかけてきた。 「こんにちは、お邪魔します」 何とも居心地悪いなぁ ドアの向こうの世界は、机が三個に一台だけ、パソコンがある 高石が居る場所は、町の写真屋のようだ。 ただ違うのは、プロなんだと実感させる機材 「ごめんね、待たせて」 額の汗を拭きながら近づいてきた。 「いえ、そんなに待ってないっす」 「珍しい?…だろうね」 軽やかに笑って言う 「はぁ…」
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