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「高島ー、購買行こうぜ」
「おう。んじゃ、またな」
「おう」
高島がよく連むグループの一人から声をかけられ、高島は教室を出て行った。
高島は俺が弁当派だということを知っているので、誘わない。
俺自身トイレ以外教室から出るのは怠いので特に気にしてない。
高島を見送ったと同時に、右ポケットに入っている携帯が震えだした。
メールだ。
『朝、満員電車で美少女と密着した俺は勝ち組』
俺は迷わず削除のボタンを押し、なかったことにした。
送り主は俺が唯一親友と認める同中の奴で、夏目と言う。
俺はあだ名で漱石と呼んでいる。
メールを無視してから五分後、電話が掛かってきた。
嫌々ながらも通話ボタンを押す。
「もしもし」
『しかもお前の好みのロングヘアーだ』
無言で電話を切る。決して羨ましかった訳ではない。
それから十秒置きに電話が掛かってきた、最初は無視していたがいい加減うざったいので百二十秒目ぐらいで電話にでてやった。
「もしも―――」
『しかも清楚で大人しい娘だ、メアドゲット』
流れる様な動作で電話を切り、着信拒否にしてやった。
念の為もう一度言っておくが羨ましかった訳ではない。
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