春支度

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    「悪い!遅れた!」     「うん、許さない」       結局、彼氏は一時間も遅刻してきた。       「私、時間にルーズな男は駄目だから。ゴメンね」       未練なんて無い。   さっさと別れを告げて、さっきの人が走って行った方へと歩き出す。       誰だったんだろう。   何処に行ったんだろう。   また、会えるかな。         「…って、私ストーカーみたいだよ!」       ちょっと冷静さを取り戻した私は、立ち止まって溜め息を吐く。       「会えたら、いいな」     「うん、きっと会えるよ」     「うわッ!」       ただの呟きに答えがあり驚いた。       「あ………」       そこに居たのは、紛れも無く、探していた彼だった。      
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