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僕は別に、生きる事が大切だとは思わない。
死ぬ時には死ぬんだから、無理して長く生きなくてもいいと思う。
父は僕が五歳の時に死んだ。
母はそれから病院通いになって、今は入院している。
…最低でも一ヶ月に一回くらいはお見舞いに行く僕。
いつもいつも、お花と本だけを持って。
母は本を読むのが好きらしいから…
今日はお見舞いに行く日。
そして僕の…誕生日。
「お誕生日おめでとう。もう七歳なのね、立派なお兄ちゃんだわ。」
「ありがとう。お母さん、早く帰って来てね」
僕が言うと母は「そうね」と笑った。
あぁ、面倒くさい。
全てが嫌になってくる。
笑いたくないのに笑って、自分を作って…
もう疲れた。
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