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    伝えたい想いがある。   でも、僕はそれを言葉にする事ができない。   手紙を書いても、渡す事ができない。     今日も彼女は僕の目の前を通るのに。   声をかければ、届くのに。     僕は何もする事ができない。       彼女は振り返ってくれるのだろうか。   …もしも振り返ってくれなかったら。       そう考えるだけで、怖くて…     手を伸ばせば触れられるのに。   そのくらい、近くにいるのに。     なのに体は動かない。       想いだけが先走り、僕の心を焦らせる。   この想いを伝えたい。 だけど傷付きたくない。     怖いの?   そう、多分怖いんだ。     臆病な自分が大嫌いで、いつも自己嫌悪してる僕。         だけど待ってて。   いつか絶対に想いを伝えるから。           その決意とは裏腹に、どれだけ叫んでも…   僕の声は       もう彼女に届かない。       どれだけ手を伸ばしても     一生届く事はない。             彼女はもう、この世界から旅立ってしまったのだから。               詩..?→
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