水屋の追想

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(第3者視点) 輝夏市に一台の車がやってきた。 中には2人の男女がいたが、彼らは別に夫婦でも何でもない。 「やっとかよ、遠かったぁー」 運転手の男が気怠そうに呟く。 彼は口から煙草を手に取ると、それ、窓から外へと放り投げた。 「ホントよね。けど、ようやく追いついたじゃない。もう見つけるのも時間の問題、でしょ?」 助手席の女も気怠そうに、しかし口元をニヤケながら言った。 彼女はハンドバッグからポーチを取り出すと、その中から手鏡と口紅を取り出した。 彼らはとある少女を探しに街へとやって来た。 そしてそれは、平穏な日々を切り崩すものだった。 「知香さえ見つければ、こっちのもんだ。誰が匿われてるか知らないが、『権利』はこっちあるんだからな」 「フフフッ、そうよね」 凌斗たちに、一つの騒乱が目前へと迫っていた。
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