禁忌

13/14
前へ
/62ページ
次へ
周りを見渡すとあの人の影は無く逃げることができたようです。 わたしは視界がぼやけていることに気がつきました。 泣いていたのです。 あの人がわたしに対して抱いていた殺意。それはわたしを絶望の淵に追い込むには十分なものでした。 いえ、わたしが勝手に勘違いしていただけなのかもしれません。あの人はわたしと一生添い遂げるつもりだっただけなのでしょう。 わたしのあの人は一生を添い遂げることを誓っていましたから。 わたしから見るとあの人が、あの人から見るとわたしが共に誓いを破りあったのです。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加