禁忌

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脂汗を流し歯を食いしばり呼吸で痛みを逃がす。 産婆の声が所々聞こえていました。 でもわたしはあまりの痛みに習っていた呼吸、力の入れ方をいつしか忘れていきました。 波のように激痛が私を襲います。 その痛みから逃げる一心で身を捩ろうとしますがうまくできません。 もはやあの人のことも考えられぬほどの苦痛となっておりました。 産声をあげる愛し子。 その声を聞いた瞬間わたしは気を失ってしまいました。
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