禁忌

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逝けるはずがありましょうか。 まだあの子の顔も見ていないのです。 父親のみならず母の顔も見ずに育つなどあまりにも不憫だと都合のよい言い訳を頭に浮かべ必死にあの人を遠ざけました。 そのわたしの様子を見るとあの人は再びわたしに夜叉とも般若ともとれぬ恐ろしい顔をしてわたしに叩きつけるように叫びます。 「ならば呪われろ!いや、呪われるより苦しめ!子を呪ってやる!」
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