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『くっ…お…重いっ…』
結局、あのあと酔いつぶれた明日香を背負い、私はトンちゃん家のマンションの階段を登ってる訳で……。
『頑張れ、あと少し!(笑)』
『ひ、人事だとっ、思って…だいたい、何でトンちゃん家はエレベーターが無いのよっ』
『3階建ての古マンションだもん。ある訳ないじゃん。』
くっ……もう何も言うまい。
ようやくトンちゃん家に着いたモノの、一向に起きる気配のない明日香をソファーに降ろし、私はひと息ついた。
『はい、お疲れさん。酔い、醒めたでしょ?』
はい、おっしゃる通りです。
そりゃ、醒めますとも。
重いとかキツいとかいうよりも……
その、えーっと…何と言いますか……あの密着した時、背中に感じた……
『おい、瑞希。あんた今、変なコト考えてたでしょ?』
!?
『な、何よっ、変なコトって!』
『エロおやじみたく、にやけた顔してたわよ。』
……………………………………。
『……し、してない!』
『はいはい。どっちでも良いからさ、明日香と瑞希、あっちで寝てね。布団、敷いてるから。』
『あ、ありがと…』
『あ~、あと2人の着替え、置いといたから。明日香が起きなかったら、瑞希あんたが着せ替えてあげなさいよぉ。じゃ、おやすみぃ~。』
パタン………
起きなかったら、着せ替えてあげなさいよぉ…?
えぇっ!?
『ちょっとトンちゃん!?』
慌ててトンちゃんの部屋のドアを開けようとしたら……中から声?
……彼氏さん、居たんだ。
って、どーすんのよ、あたしっ!?
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