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…いつもと変わらない太陽の暖かさ
…いつもと変わらない授業風景…
…今日も無事授業が終わるんだろうな…
そんなことを授業中に考えていただろうか。そのうち寝てしまったらしい。
…このままずっと寝ていようかな…
だが、そんな願望もはかなく砕かれてしまうことを今肌から伝わる風の気流で知ってしまう。
ペシン!!
教室で皆が注目を浴びるほどの大きな音。毎日何発も喰らっていたら馴れてしまう痛みだが今回のはクリーンヒットしたみたいだ。背中からヒリヒリする痛みが伝わってきた。
「あんたいつまで寝てるつもり。もう授業終わったんだから一緒に帰るわよ。」
やることが目茶苦茶だよ。もう少し優しい起こし方ってものある…
ドスン!!
今度はみぞおちに強烈な鉄拳。唸りながら机に付けていた顔を上げる。
そこには、どうやって教室にあの重たそうな音のビンタを与えたのかと思えるくらい細い腕とスリムな体つきの女子が、むっすりした顔で俺の顔を睨んでいた。
顔も美形で成績優秀、スポーツ万能、軽い男口調と男勝りの態度が無ければ男子からNo.1にモテそうな俺の幼なじみがいた。
彼女の名前は米澤優花。米澤財閥の一人娘で跡取りも決まっているらしい。
昔からこんな性格でいつも俺を「ヘタレ」と呼んでいた。
なんで俺がこんな財閥の娘さんと幼なじみだって?
それはその内話そうではないか。
「あんた何ぶつぶつ呟いてんの?早く帰るよ。」
「へいへい。」
こうして今から俺の【一日が始まった】。
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