一章 俺の一日

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 1ヶ月前俺は私立栄光学園高校に入学した。というか強制的に入学させられたと言ってもいいだろう。 ここの高校は世間では有名なお坊ちゃんお嬢様高校で某有名企業の息子や娘がここで一流の経営学を学べる特殊な学科がある学校だ。 同然ながら優花も米澤財閥の一人娘であるため入学。  俺は中学時代の友人から無名の公立高校に行こうと進められたが断念した。 俺の父秦雄一は栄光学園高校の校長でありこの高校に何があっても入れたかったようだったからだ。 ただ理由もなくここに入れられたわけではない。  それが米澤優花と秦佳一が幼なじみである理由でもあるんだが…。  バシッ!!  「またあんたぶつぶつ呟いて。気持ち悪いよ。」  背中に平手打ちと俺限定のきつい毒舌。いつも教室ではそんなキャラじゃない癖に…。  こいつは電車に乗っている時だろうが何だろうがなんか俺に気に食わないところがあればすぐに殴る。 いつも学校では明るい性格で皆からは人気高い癖に…。  そんなことを考えながら電車から夜の町を眺めていた。 電車の中で殴られた時はいつもこうして落ち着くようにしている。 こうしていると優花もこれ以上に何かしてこようとはしないからだ。ここからはただ沈黙が続く。逆にこうゆう空気も嫌なんだよな…。  ふと周りを見ると何人かシートに座ってる。 一際目立ってうるさいギャル男。どうやら電話しているらしい。多分歳も同じ位だろう。近くに座ってるおばあちゃんが嫌そうにしている。 優花の隣には野球のユニホームを着ている小学生何人かが一つのシートを制圧している。今日は試合だったのか皆すやすや寝ている。 …てかギャル男はマナーを守れよな。  なんてこと考えてたら優花が席を立った。なんか嫌な予感がするな…。多分的中するだろうけどね。
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