3話 変わる二人、隠し事

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「そりゃ注目されましたよ、みんなにっ!それに・・・彩華にだって―――。」 最後のあたりはボソボソと声が小さくなっていく。  ちょっぴり照れたようにしている蒼空を見て、藤岡はピンときた。 「蒼空も男になったという事か。その子・・・・大切にしなさい。」 「先生、でも僕・・・・まだ言ってないんだ。」 「君が好きだっ・・・・ってか?」  蒼空はますます顔を赤らめて、否定する。 「ちっ・・・違うよっ。それじゃなくてっ―――。」 「わかっている。体の事だろう?・・・・その子が本当に大切な人だと思うなら、ちゃんと言ってあげなさい。きっと彼女も君の事を知りたがっているはずだよ?」    ☆   ☆   ☆  ここに座り込んでからどれくらいの時間がたっただろう?いつまで待っても入口の方から蒼空が出てくる様子はない。不安ばかりが心の中を埋め尽くしていて、彩華は追いかけてこなければよかったのかと思いはじめていた。司のように小さい頃から一緒にいた訳でも家族でもない自分は、彼のプライベートな事を知ろうとするなんて図々しのかもしれない。色んな考えが頭の中をぐるぐるして、何をどうしていいのかわからなくなっていた。 ―――その時。 「あれ・・・・?彩華、こんな所で何してるんだ?」  蒼空が不思議そうな顔で、彩華の顔を覗き込んだ。 「!!―――蒼空っ!」  彩華はいきなり話しかけられたのと、それが蒼空だった事に驚きを隠せなかった。 「彩華も誰かに会いに来たのか?」 「それは・・・・蒼空に会い――――。」  彩華はつい出てしまった言葉に恥ずかしくなって、顔を赤らめた。 「え・・・・。」  蒼空は一瞬何を言われたのかわからないでいたが、やがて理解したらしく彼も顔が赤くなる。 「「・・・・・。」」   お互い顔が赤くなるばかりで、何も言えなくなってしまった。目が合ってはすぐに逸らしてしまう。だが先にその状態を変えたのは蒼空だった。
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