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僕の母親は身体が弱くて、病気がちの人だった。息子である僕にもそれは遺伝してしまった。母さんほどではなぃけれど、小さい頃は学校なんて行ける訳がなくて、いつも病室で1人きりだった。仕事の合間に顔を見に来る父さん、主治医の藤岡先生、毎日のように遊びに来る親友の司が僕の心の支えだった。
でもそれは小さい頃の話で、今の僕は親友の司の2人、町の高校に通っている。でも身体の方は小さい頃よりいい方なだけで、普通の人と同じコトが出来ないのは……とても辛いコトだ――。
桜が舞う春の季節、蒼空(ソラ)はカバンを手に学校への道を歩いていた。
「なぁなぁっ、今日クラスがえ発表だろ?オレ達、また一緒になれっかな?」
彼の隣を歩く、金髪ヘアーの男子が、目をキラキラと輝かせてこちらを見てきた。
「同じだよ、きっと。僕達はいつも一緒……だろ?司(ツカサ)?」
「だよな、うん。クラスが別になるなんて絶っっっ対ありえねぇっ!!」
蒼空は思わず吹き出した。
「ちょっ……。そんなに言い切っちゃうのかよっ。」
いつもと変わらない、今までと同じ生活。それがこれからどんどん変化していくなんて、彼は思ってもいなかった。
学校の中に入ると、下駄箱がある先の壁に、クラスがえの紙がはられていた。
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