2話 蒼空と彩華

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きっと大丈夫と自分に勇気の魔法(?)をかけて、彩華は思い切って言ってみることにした。 「私とペアなんて……どうかなって思って。」 ―――沈黙。 蒼空の表情が曇った。 彩華から目をそらし、何も答えてくれない。 「…………。」 「大河君……どうかしたの?」 彩華は、やっぱり言わなければよかったのかという考えが頭をよぎる。 蒼空は何も言わないまま背をむけてしまう。 「…………。」 ――何も僕のコト知らないから、そんな事が言えてしまうんだ。 でも知っていたら……彩華はどうするのだろう? 司だったならば、彼にそんな事は言わないだろう。"もし"という意味を含めた言葉を司なら言うだろう。 「―――僕は、やらない。授業も出る気ないから、他を当たれよ。」 いつもよりもずっと冷たい言葉が、彩華の心に突き刺さる。 蒼空はそのまま、教室から出ていってしまった。 「おいっ……蒼空、待てよっ。」 それを近くにいた司が追いかけていった。 「何よ……それ。」 一人残された彩華がポツリと呟いた。 態度はあまり変わらなくても、少しだけ見せてくれた本当の姿…。 「授業に出る気がないって……何でよ?」 でも本当の本当の彼は……近寄れば噛みつく、狼なのかもしれない。
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