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真っ暗な闇、月明かりしかないこの空間に2人は身を隠すように歩いていた。
「羽月(うづき)、すぐ迎えに来るわ。だからいい子にしていてね」
「……うん!はづ姉、羽月いい子にしてるよ」
ニッコリ笑う羽月に葉月(はづき)は胸が苦しくなった。
「ごめんね。……ごめんね、羽月……」
「はづ姉、どうして泣いているの?」
葉月の頬には確かに一筋の涙が流れていた。
どうして?どうしてはづ姉は泣いてるの?はづ姉が悲しいと羽月も悲しいよ……。
泣きそうな羽月を葉月は優しく抱きしめた。そして、懐から鈴を取り出す。
チリーン、チリーン。
「これが約束の証、これがある限り私は羽月を必ず見つけるわ」
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