【序章】

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チリーン、チリーン。 2っの鈴を鳴らし合いお互いに笑い合う。 「うん。羽月いい子で待ってるよ」 「羽月………。もう…行かなきゃ……愛してるわ…」 チュッ。頬に口づけると葉月は振り払うように闇へ走り出した。 「羽月いい子にしてるよ。だから、早く迎えにきてね……」 このつぶやきは誰に聞かれることもなく、消えていく。 葉月の背中を見送って羽月は反対に走り出した。 暗闇をどこまでも………。 どこまでも………。 どこまでも………。 鈴の音だけが鳴り響く。 この夜の出来事は月だけが知っている。  
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