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満月の綺麗な夜。人通りの少ないこの時間帯に男は1人歩いていた。
今日は満月か。こりゃあ、一句詠めそうだ。
「夜の月……いや、満月の…」
あ?今、何か動いたか。
微かな気配を感じて周りを見回すが、道には男しか歩いてはいない。
気のせいか?と思いつつ歩き始める。
「ケホッ、ケホッ」
今度はたしかに聞こえた。どうやら傍の木の根元に人がいるようだ。不思議に思って近づくと。
「子供……?」
根元には5~6歳の女の子が膝を抱えるように座っていた。
なんでこんなとこにガキが?
「ケホッ、ケホッ、ケホッ」
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