【第1章】

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満月の綺麗な夜。人通りの少ないこの時間帯に男は1人歩いていた。 今日は満月か。こりゃあ、一句詠めそうだ。 「夜の月……いや、満月の…」 あ?今、何か動いたか。 微かな気配を感じて周りを見回すが、道には男しか歩いてはいない。 気のせいか?と思いつつ歩き始める。 「ケホッ、ケホッ」 今度はたしかに聞こえた。どうやら傍の木の根元に人がいるようだ。不思議に思って近づくと。 「子供……?」 根元には5~6歳の女の子が膝を抱えるように座っていた。 なんでこんなとこにガキが? 「ケホッ、ケホッ、ケホッ」  
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