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『それでは朝のニュースです。今日未明、緑公園で…』
「まただよー」
ギンジは気の抜けたような声で言った。
「何が」
それに素っ気なく応えるアカツキ。
「アレ。ここんとこ起きてる連続殺人でしょ」
アオイは目の前に置かれた書類に目を通しながら言った。
「どの犯行も肩から腹にかけて一太刀。確実に一発で殺ってる。しかも、現場には一切証拠が残されていない。不可解だよね。警察も手古摺ってるやつでしょ…ていうか休みの日になんでうちに集合してんの?」
アオイは部屋にいる4人に目を向けた。
「だって暇だしー」
「俺が何処にいようと勝手だろ」
「……」
「アオイさんが休日に仕事する姿を見ようと思って」
口々に理由を述べる3人に、無言でアオイの仕事を手伝うシオン。
「もうギンジとアカツキについては何も言わない…。いつもの事だから。…キスケ、お前嫌味言いに来ただけ?」
「え?そんなことありませんよ。見に(笑いに)来ただけです」
「へぇ…じゃあ見たからいいでしょ。帰れば?(そして永遠の旅に出ろ)」
睨み合う2人を余所に、シオンは黙々と書類に目を通していた。
「シオンだけだよ。手伝ってくれるのは」
「…休みの日まで仕事する事ない」
「ははは…まぁ仕方ない」
「ていうかさ、これ…気付いた?」
ギンジはテレビを指差した。先程から連続殺人のニュースが続いている。
「これ、殺された人達みんな会社の得意先の社員だよ」
ギンジの言葉に、その場にいた4人は一斉にテレビを見た。
「もしかしてー、うちの社員も狙われてたりして」
「おいギンジ…そーゆー縁起でも無いこと言うな」
アカツキはギンジの頭を軽く叩いて制止した。
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