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迷い込んだのだろう
黒揚羽蝶が 窓越しの空に
飛んで行こうとした
出口は少し振り返れば見えるのに青い空に飛んで行きたくても
透明な硝子が邪魔をして
ただ ぶつかるばかり
高過ぎて 私の手は届かない
こっちだよ、と導くことも
窓を開けてやることも出来ずに
ただ 見てるだけしかなかった
あの子はここで
終わってしまうのだろうか
やっと蝶になれたのに
きっとまだ
飛び回りたかっただろうに
飛び立ちたい空を
目の前にしているのに
その短い生涯を 青い空より
遥かに狭い硝子の中で
終えてしまうのだろうか
私にもう少し力があれば
もっと空を飛ばせて
あげられただろうか
願わくば あの子がもう一度
大きな青空を
飛べていますように・・・
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