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「殺されてた!?
一体誰にだよ?」
すっとんきょうな声で総司が咲に訊く。
「知らないわよ!
私だって怖かったんだから…。」
両手で俺の右腕を掴みながら咲が答える。
つかいてぇし。
「咲、とりあえずお前は家に帰るんだ。
俺達と一緒にいるとこをSJATに見られてみろ。
お前までブラックリストに加わっちまうからな。」
「大我は…?
二人はこれからどうするの…?」
「そいつは秘密だ♪」
俺の代わりに総司が茶目っ気たっぷりで答える。
「そういうことだ。
俺はお前まで巻き込みたくないからな。」
「……うん。」
寂しそうに俺から離れる咲。
そのまま歩きだす。
しかし数歩あるいたかと思うと、振り返って俺の方に駆け寄ってきた。
「どうしたんだ、さ…んんっ!?」
なんてこった。
別れ際にこんな熱い口づけを頂けるとはな。
「…死なないでね。」
あいつにとっちゃけじめ的な意味も有ったのかも知れない。
そのまま夜の闇に溶けていく咲。
不思議と、また逢える気がした。
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