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〈PM7:03 山岡高校正門〉
あー疲れた。
今日は一段と汗かいた気がする。
俺はバイトに行くので総司を待っていた。
あいつはいつも遅れるから、待つのは毎回俺だ。
5月とはいえ、夜の空気は肌寒い。
待つのも結構疲れる。
すると肩に、人の手の温もりを感じた。
総司だと思って振り返ると、そこには意外な人物が立っていた。
「大我…?
何してるの?こんな所で…。」
咲だった。
こいつはいつも家の門限で俺より1時間は早く帰る。
だから、俺が毎日この時間にここにいるのも知らないのだ。
「あぁ、総司とバイトに行くからここで待ってるんだ。
お前こそ、門限はいいのか?」
「うん。
今日は親が家に居ないから、大丈夫。
でも生徒会の用事やってたら少し遅くなっちゃって…。」
照れ笑いをする咲。
ぶっちゃけかなり可愛い。
なんでこいつ新しい彼氏作らねぇんだろ?
「じゃあ早く帰れよ。
女の夜歩きはあぶねぇからな。」
「わかってる。
それじゃ、バイト頑張ってね。」
小走りで去っていく咲。
俺は軽く手を振りながら見送ってやる。
すると背後から不気味な笑い声が…。
「ふっふっふ…。
見てた、見てたぞ大我…。
相変わらず仲良さそうだな~。」
「総司。あんまりふざけてるともっかい急所蹴り食らわすぞ?」
「やれるもんならやって…ぎゃふぁああっ!??」
俺は総司を引きずりながらバイトに向かった。
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