第一章:校内魔法トーナメント

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「面倒だから四人目以降は続けて名前呼ぶぞ」 どんな時でも適当な羽田先生。そんな先生に全員が心の中でツッコミを入れただろうな。 心の中なので先生に届かないけどな。 「南雲 澪、天田 沙子(あまだ さこ)、佐野 龍紅(さの りゅうく)、戸口 美波(とぐち みなみ)、向井 汐土(むかい しおと)、以上だ」  ……澪は入ったか……よかった。 ちょうど俺がそんなことを思っていた時。 「あとはくじ引きだ。適当に取りに来い」 なるほどね……。 そして全員が取り終わった頃、先生がもう一度説明を始める。 「そこに書いてある一から八の番号がブロックだ。そして、AからDが対戦相手を決める記号だ。同じブロックの、Aの奴はB、Cの奴はDの奴と戦ってもらう。ちなみにシードの奴は呼ばれた番号がブロックだ」 先生が説明を終えた時、俺はもう一度紙を見る。 『8D』 つまり、第八ブロックのCを引いた生徒と試合ということか。 さらに、 「やぁ、落ちこぼれ君。君は八ブロックのようだね……僕がいるブロックとは運が悪い!君みたいな平民が僕のような貴族には勝てないからね!」 この、嫌味を言ってくるお坊ちゃまこそが第八ブロックシード、向井 汐土である。 こいつは一流貴族の子孫である事を利用して、威張りくさっている。
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