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そんな向井を、俺は嫌いだ。
「残念じゃねぇよ」
気づいた時には声に出ていた。
「……はい?」
向井はその言葉を聞き取り、動きを止めた。
「お前と同じブロックって事は、お前を倒せるって事だろ?」
こうなりゃ止まらねぇ。
こんな事を言われたお坊ちゃまが怒らないわけがないのだが、向井はそれをこらえ、笑いながら去って行く。
そして俺とすれ違う瞬間。
「落ちこぼれが」
捨て台詞を吐き捨てた。
それに対して俺は、目を閉じたまま呟いた。
「落ちこぼれ?……上等だっつの」
† † †
試合が始まった。
第一ブロックから順番に決めていくらしい。
と、いうことは俺は最後か。
戦闘方法については、今説明しとこう。
ダメージカウンター(DC)と呼ばれるネックレスを付けて、戦闘を行う。
そのネックレスを割る、または相手に降参を宣言させる。
という、至ってシンプルなもの。
つまり、ネックレスを割る戦い方をするのもよし、余り無いが相手を降参させるのもよし。という事だ。
チャンスを生かせば俺でも勝てるな……。
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