第一章:校内魔法トーナメント

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そんな向井を、俺は嫌いだ。 「残念じゃねぇよ」 気づいた時には声に出ていた。 「……はい?」 向井はその言葉を聞き取り、動きを止めた。 「お前と同じブロックって事は、お前を倒せるって事だろ?」 こうなりゃ止まらねぇ。 こんな事を言われたお坊ちゃまが怒らないわけがないのだが、向井はそれをこらえ、笑いながら去って行く。 そして俺とすれ違う瞬間。 「落ちこぼれが」 捨て台詞を吐き捨てた。 それに対して俺は、目を閉じたまま呟いた。 「落ちこぼれ?……上等だっつの」 †   †   † 試合が始まった。 第一ブロックから順番に決めていくらしい。 と、いうことは俺は最後か。 戦闘方法については、今説明しとこう。 ダメージカウンター(DC)と呼ばれるネックレスを付けて、戦闘を行う。 そのネックレスを割る、または相手に降参を宣言させる。 という、至ってシンプルなもの。 つまり、ネックレスを割る戦い方をするのもよし、余り無いが相手を降参させるのもよし。という事だ。 チャンスを生かせば俺でも勝てるな……。
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