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……圧倒的。
そんな言葉が似合う勝利だった。
「疲れた」
そんな台詞と共に帰ってきた拓海。
「嘘付け。全然動いてないだろーが」
「あ、バレた?」
俺達二人がこんな会話をしていたその時。
「第二ブロック決勝戦を始める」
先生の声が響く。
次は確か、瀬戸か……。
いったいどんな戦い方をするのか……。気になる。
「予選第八ブロックの人まで集合ー」
が、そろそろ第八ブロックの予選が始まるらしい。
クラスの委員長、第六シードの佐野が集合をかける。
……早くねぇか?
「なぁ佐野……集合早くないか?」
「どんどん予選をやっちゃおう大作戦だよ!!」
……こいつは、見た目、性格、全てが幼い。
何故か委員長なんだよな……。
向こうではもう既に勝負がついていた。
……瀬戸強いな……。試合見たかった……。
† † †
それから少し時間が経って、佐野が決勝戦に向かっていった頃……遂に俺の試合が始まる。
……やっぱり集合早かったじゃねーか……。
「ラッキー!俺の相手落ちこぼれじゃん!」
向こう側から声が聞こえる。
あいつは確か、向井の取り巻きの一人だったような……。
……良い事思いついた。
こっちの試合の審判には、佐野と代わって第一ブロックの優勝者、拓海が来た。
「じゃあ始めるぜ?よーいスタート!!」
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