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「相性が」
高山がそこまで言った時。
ボタンを押した事によって飛んだナイフの“刃”が高山のDCを割った。
「良……い……?」
まだ高山は何が起きたかわかっていないようだ。
「どうした?お前が喋ってる間に……もう、俺の勝ちだけど?」
「……嘘だ……俺が……俺がお前みたいな落ちこぼれに!!負けるわけない!!」
高山がそこまで言った、いや、叫んだ時。今まで黙っていた審判の横峯さんが声をあげる。
「そ、そこまでです!か、香住君の勝ちです!」
俺はさっさと闘技台から降りる。
そこで改めて思う。
……これでニ勝目。後は向井だけだ……。……ここまで来たら……絶対に勝つ。
「真哉!!」
「拓海……勝ったぞ」
「見てた見てた!また卑怯な戦い方だな!」
笑いながら嫌みを言ってくる。本人は嫌みだと思ってないだろうけど。
「うるせーよ」
「そういや、あのナイフなんだ?」
それがずっと疑問だったのか首を傾げながら聞いてくる。
「スペツナズナイフっつーちょっと特殊なナイフだ。まぁ次の試合じゃ使えねーけどな」
「真哉……俺、ナイフの名前しか教えてもらってないぞ?」
「気にするな」
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