20人が本棚に入れています
本棚に追加
さらに真哉にとって、幸運な事は他のクラスメートが組み手に集中している事。
この事に気付いた真哉はさらにスピードを上げようとしたその時。
「<大地の足枷>」
真哉のかなり近くの地面から足枷が飛び出し、真哉の足を縛り付けた。
足を動かせなくなった真哉はそのスピードのまま地面にヘッドスライディングを決め、数メートルほど滑った所で停止した。
「いってぇぇぇえええ!!!!」
余程痛かったのかとても大きい声で叫ぶ。
そこに笑顔の澪がゆっくりと、ゆっくりと近づいて来る。
「ま、まま、ま、待て!」
「ど~したの?」
笑顔のまま問い掛けてくる澪。その笑みは天使の様にも、悪魔の様にも見える。
「く、くくく、組み手、するから」
「わかれば良いのよ」
澪がそう呟いた瞬間、真哉を縛り付けていた足枷がボロボロになって崩れた。
「さぁ、殺りましょうか」
「……漢字違くないか?」
この十秒後、真哉の絶叫がグラウンド全体に響く事となるのは言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!