第零章:落ちこぼれと呼ばれる少年

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さらに真哉にとって、幸運な事は他のクラスメートが組み手に集中している事。 この事に気付いた真哉はさらにスピードを上げようとしたその時。 「<大地の足枷>」 真哉のかなり近くの地面から足枷が飛び出し、真哉の足を縛り付けた。 足を動かせなくなった真哉はそのスピードのまま地面にヘッドスライディングを決め、数メートルほど滑った所で停止した。 「いってぇぇぇえええ!!!!」 余程痛かったのかとても大きい声で叫ぶ。 そこに笑顔の澪がゆっくりと、ゆっくりと近づいて来る。 「ま、まま、ま、待て!」 「ど~したの?」 笑顔のまま問い掛けてくる澪。その笑みは天使の様にも、悪魔の様にも見える。 「く、くくく、組み手、するから」 「わかれば良いのよ」 澪がそう呟いた瞬間、真哉を縛り付けていた足枷がボロボロになって崩れた。 「さぁ、殺りましょうか」 「……漢字違くないか?」 この十秒後、真哉の絶叫がグラウンド全体に響く事となるのは言うまでもない。
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