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「危ない!!」
体が勝手に動いた。気がつくと、俺は道路に飛び出し子供を突き飛ばしていた。
そう、車に轢かれそうな子を。そして、俺の体は盛大に弾き飛ばされ、そこで俺の意識は途絶えた。
目が覚めると俺は病院のベッドの上にいた。
「ここは・・・」
首を動かして窓の外の景色を見ると、自分が勤めている大学病院だということに気付いた。
「水無月君、目が覚めたんだね。」
「先生・・・」
声がしたほうに首を向けると、白衣を着た男性が立っていた。俺がこの病院に入ってから色々と面倒を見てくれている人である。
「先生が見てくださったんですか?」
「ああ。長いこと目を覚まさなかったから、意識が戻ってくれてよかったよ。」
安心したような顔で俺を見ている。本当に心配してたみたいだ。
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