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「なら、なぜ俺の名前を知っているんですか?」
「だってあなたが小さい時から見ていたもの。」
予想外すぎる答えがかえってきた。小さいころから見ていただと?
しかも、あなたが9歳ぐらいのころからかしらと続けてきた。
「冗談はやめてください。会ったことがないのになんで知ってるんです?それ以前にどうやってここへ?ドアの開く音なんかしなかったですよ?」
当然の質問。そうだ、この女性が現れたときにはドアの開く音なんかしなかった。なら、どうやって来たんだ?
瞬間移動?そんなまさか。何かしらのトリックがない限りそんなことが起こるはずがない。
「どうやって来たかは後でわかるわ。でも、あなたも私を知っているはずよ。」
「は?」
女性がそんなを言うので、マヌケな声をだしてしまった。知っているだと?そんなはずは・・・
「あなた、『神隠し』は知っているわよね。」
彼女は唐突に言った。
神隠し。人間が何の前触れもなく突然いなくなること。俺の地元の町にもそんな伝承が残っている。
「それがどうかs」
「それ、私がやってるの。」
俺の問いにかぶせるようにとんでもない回答がとんできた。
「なんだって!?」
つい叫んでしまった。目の前の女性が神隠しの元凶だと?
「昔読んだ本に書かれてなかった?」
女性がそういったときふと、俺が中学生の頃呼んだ本の記憶が思い出される。
神隠し。それは、名前と違って妖怪のしわざ。そしてその妖怪は女性の姿をしている。確か名前は・・・
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