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「八雲・・紫・・・」
「やっと思い出してくれ
た。」
八雲紫は呆れたようにこちらを見ている。
時間かかりすぎ。そう言いたげである。仕方ないだろ、俺はあんたの姿を知らなかったんだ。
「で、その妖怪が何しにここへ?まさか、俺を神隠しにあわせるつもりですか?」
「そうよ。正確には私たちの世界へきてもらう。」
多分俺はまたマヌケな顔をしているだろう。あんた達の世界だと?ってことは、恐らく俺は妖怪の餌にでもされるのか。
「別に食べるわけじゃないわ
よ。」
あ、食べる奴もいるかと付け足してきた。くそ、こいつは心が読めるのか。
まあ、多分俺の顔にでてるんだろう。昔からわかりやすい奴とよく言われたからな。
「だったら、なんで・・・」
「1つはあんたの腕を直すた
めよ。」
・・・今何て言った?俺の腕を治すだって?
「なんか説明めんどくさくなってきたから、向こうについてから話すわ。」
「・・・え?」
「ということで、向こうで会いましょ。」
その瞬間、俺は浮遊感を感じた。足元を見ると、なんか不思議な空間が広がっていた。
ああ、こうやってきたのか。そう思ったとき、俺はその空間に落ちて行った。
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