第1章 ―幻想郷―

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「八雲・・紫・・・」 「やっと思い出してくれ た。」 八雲紫は呆れたようにこちらを見ている。 時間かかりすぎ。そう言いたげである。仕方ないだろ、俺はあんたの姿を知らなかったんだ。 「で、その妖怪が何しにここへ?まさか、俺を神隠しにあわせるつもりですか?」 「そうよ。正確には私たちの世界へきてもらう。」 多分俺はまたマヌケな顔をしているだろう。あんた達の世界だと?ってことは、恐らく俺は妖怪の餌にでもされるのか。 「別に食べるわけじゃないわ よ。」 あ、食べる奴もいるかと付け足してきた。くそ、こいつは心が読めるのか。 まあ、多分俺の顔にでてるんだろう。昔からわかりやすい奴とよく言われたからな。 「だったら、なんで・・・」 「1つはあんたの腕を直すた めよ。」 ・・・今何て言った?俺の腕を治すだって? 「なんか説明めんどくさくなってきたから、向こうについてから話すわ。」 「・・・え?」 「ということで、向こうで会いましょ。」 その瞬間、俺は浮遊感を感じた。足元を見ると、なんか不思議な空間が広がっていた。 ああ、こうやってきたのか。そう思ったとき、俺はその空間に落ちて行った。
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