消えるもの

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次の日 由井島に借りた傘を昇降口の傘立てに入れたはいいけど…… お礼は言うべきなのだろうか。 けど勝手に貸されただけだよ? けど借りたよな… とバカみたいに1晩中考えた。 イコール由井島のことを考えてるみたいで嫌だったけど雨のせいで色んな記憶が思い出されない分マシだったかも知れない。 まぁ結局答えは出ないまま教室に着いてしまった。 すると ガラガラガラ 私が扉を開けると同時に反対側からも開けられた。 つ「!?」 由「相澤ぢゃん!ビックリするだろ!?」 こっちのセリフ!! けどもしかしてお礼言うチャンス?と思ったのも束の間… 由井島は“やべっ”と言って駆け出した。 由「今日は俺が相澤みたいに呼び出し」 廊下を走りながら振り返って私に告げる。 “相澤みたいに”って余計だし。 ってか報告必要ないし。 私はお礼を言うのを諦めて自分の席に着く。 誰も寄り付かない私の机。 私の回りには現実だけが転がっている。 いつか消えるような友情や愛情は存在しない。 私の落ち着く場所。
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