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密かにほっこりとした気持ちになっていると、いつの間にやら真横に孔明が立っており、じいっと晶の顔を覗き込んでいた。
「っ?!!のあっ!!!」
「・・・何ですかその色気の欠片もない悲鳴は。ああ、悲鳴というよりは奇声ですね。とにかく品のない叫び声です」
いきなり失礼千万な男である・・・相変わらずなので口で文句は言わないが。
「・・・・・・・・・とりあえず何でしょうか孔明さん?」
「この状況で人が来る理由など一つに決まっているでしょう。貴女の様子を伺いに来たのですよ。・・・ふむ、顔色もよさそうですし、先ほどのような声が出せるなら問題はないでしょう。主、彼女は悪い病ではありませんので御心を痛める必要はございませんよ。というより、図太・・・いえ芯の強い彼女ならばきっと病も寄せ付けないでしょうから、ご安心ください」
「・・・・・・・・・」
なんか色々待ってほしい。
これが意識を取り戻したばかりの人間の目の前でする発言なのだろうか。
色々と常識をすっ飛ばし過ぎだ。
・・・いや、今更か。
「本当か、晶殿・・・?」
・・・そして何なんだこの目を潤ませて上目使いしてくる国主は。
犬属性なのは既によく理解しているので、お願いだからまるで捨てられた心細そうな子犬のような目をしないでほしい。
だから成人男性がそれやるとかなりドン引きなんだって、と既に晶の体は若干逃げ腰である。
「ほ、本当ですよ。かなり衝撃的だったので、たぶん意識が飛んじゃったんだと思います」
「・・・ふむ」
晶の答えに、孔明は顎に手を当てて考えるような素振りをした。
恐らく彼はもう、晶がここまで衝撃を受けた理由に思い至っているだろう。
案の定、彼は晶の予想を裏付けるように口を開いた。
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