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「すまないな晶。文長は歯に衣着せぬ物言いをするから・・・」
「わ、それは酷いでしょ子龍様。俺と晶ちゃんだって付き合い長いんだよ?そのくらいわかってるよ、ねえ?」
「・・・ええ、まあいつも通りですよね。今更驚くこともできません」
「ちょっ・・・晶ちゃんも何気に酷いっ!!」
嘘泣きを始めた魏延を、晶は苦笑して見た。
姓を魏、名を延、字を文長という彼も重臣であるが、ちゃらっとした言動が目立ち、イマイチ緊張感に欠ける人物でもある。
しかしその軽い言動は意図的なものがあり、場を和ませようという気遣いが透けて見えるところが彼の特徴でもあるだろう。
それすらも意図的に見せている部分があると思う。
そして彼は典型的な『外に厳しく内に甘く』を実践している人物でもある。
初対面の時と今の彼の視線の温度は雲泥の差だった。
初めて会った時は社交的な笑顔だったけれど、なんて冷たい目をする人だろうと思った。
若干マジな話、「私はいつかこの人に暗殺されるかもしれない」と怯え上がったくらいだったのだ。
今はまったくそんなことはないし、むしろ可愛がってもらっているとすら思える。
それだけ長い間ここでお世話になっているんだということを、晶はしみじみと思った。
「まあでもそりゃあ未来から来たなんて普通は信じられないよな~」
「・・・・・・・・・貴方がそれをおっしゃいますか文台殿」
「え~孔明君だって人のこと言えないじゃないか」
(それにはまったくもって同意するしかありません孫堅さん)
お前が言うなお前が、という視線を、晶は孔明に投げた。
すると大変不服そうに孔明が晶を見返す。
「何ですかその私だけを責めるような目は。文台殿だって立派な未来かぶれですよ。貴女の目は風穴ですか?この方のお召し物をよく御覧なさい」
(や、貫通してないし・・・)
風穴ってなんだ風穴って。
ツッコみたいことは多々あれど、とりあえず晶は孫堅の服装に目を向けた。
「・・・っっっ?!!!!!」
途端に目を?くことになる。
これは確かに風穴と言われても文句は言えないかもしれない。
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