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「主、そろそろ奥方様の出立のお時間です。どうかそのように嘆かれませぬよう」
「うう・・・折角久方ぶりに相見えたというのにすぐさま出立とは・・・」
「そんなに泣かないで玄徳様。またそう遠くないうちに会いに来ますから。とりあえず兄の国政が落ち着くまでは向こうにいるけど、早いうちに帰ってくるから待っててください」
ね?と言って宥める尚香にしぶしぶといった様子で劉備が頷く。
・・・扱いが限りなく幼児のようだと思っているのはきっと晶だけではない。
「晶、気を付けてな」
「ご無事をお祈りしています!」
「寂しくなったらいつでも俺の胸に帰っておいで」
「連絡、いつでも取れる。会いたくなったら、呼んで」
「翼徳様その能力本気で羨ましいっ!!」
「伯符殿によろしくのぅ」
「公瑾殿にもよろしく伝えておくがよい」
「はい!皆さんもお元気で!」
2人が劉備を宥めにかかっている間に、晶は特にお世話になった面々と別れの挨拶を交わしていた。
ここは成都の郊外。
目の前には町を抜けた先にある草原が広がっていた。
彼らは晶たちの出立に総出で見送りに来てくれたのだ。
「しかし文台様、本当に護衛は付けずとも宜しいのですか?」
「宜しいよ。尚香もいるし、俺だって戦ったことくらいはあるんだから必要ないだろ?心配しなくても俺たち2人がいるなら晶ちゃんの身の安全くらいは確保したも同然だよ」
心配そうに聞いた趙雲に、孫堅は無問題!と、にかっと笑って見せた。
もし彼らの実力が、晶が知っているものそのままであるのなら確かに護衛はいらないだろう。
孫堅だけでなく、尚香も武人としての心得はあるのだ。
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