第1章 蜀漢の章

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再び固まってしまった晶を見て何を思ったか、彼はふむと羽扇を口元に当てた。 「・・・もしかしなくても、これは成功したのでしょうか・・・?」 その言葉に、晶は弾かれたように顔を上げて彼を見た。 「せ・・・成功って・・・どういうことですか・・・?」 「いえいえ、これはあくまで仮説ですのではっきりとは。ついでにまさか成功するわけないでしょうと思って面白半分実験がてらやってみた呪法のことですので、もしかしたら貴女には全く関係ないことかもしれません」 「お、面白・・・実験って・・・って呪法っ?!!」 間違いなく驚くには十分な単語が羅列した。 ついでに青ざめるのにも十分すぎる。 「さて、もし私の仮説があっているのだとしたら面白いことになりそうなので、少々私たちの野営地までおいでください」 「どこをどうしたらその結論に至れるんですか?!そして拒否権ナシですかっ?!!」 最初から晶の意見を聞く気はないらしい。 どこまでも俺様気質なお方のようだ。 「まあ長くなりそうですから。まずは貴女の身の上をお聞きした上で、もしも貴女が私の呪法の結果として現れた方だとしたらそちらの説明もし、その上で今後の対策を練らなければいけませんからね。こんな獣が出そうな場所で長話などしようものなら、自殺願望者と間違われます。ああ、私は貴女がおいでにならなくとも一向に構いませんよ?死にたいのでしたらどうぞお一人で御自由に」 (おっ・・・鬼がいる鬼がッ!!しかもさっきから怖いくらいキラキラした笑顔カケラも崩してないのが怖すぎるんですけどッッ!!!) ある意味殺人兵器よりも極悪である。
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