模倣差異

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デスクのすぐ横にあるソファーに座る。 神崎はテレビの電源を点けてニュースを観ている。 「これは…」 神崎の声に私もテレビのほうを見る。 テレビには『連続殺人の被害者7名に!』とテロップが出ている。 「ただの殺人じゃないか」 こんなの仕事をするまでもない。 「よくみろ」 神崎に言われもう一度テレビに視線を移す。 「この被害者達は普通じゃない」 「そのとおり。」 「血が採られてたり足と手を逆に付け替えられているんだ。」 いつの間にかデスクの机上に居た女性が神崎の言葉に続けた。 霧鵺 乃愛(きりや のあ) 私達の上司にして此処、『鴉屋』(からすや)の所長。 腰まである黒いストレートの髪に朱い瞳、豊満な胸は世間から見れば美人なのだろう。 「喜べ夕、仕事だぞ」 乃愛の言葉を聴いた私は頬が緩むのを抑えられずにいた
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