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「なっ……何事じゃ!!?」
目の前に広がる光景は、あまりにも悲惨だった。
アトムは布団をすっぽりと頭まで被っており、デルタは吹っ飛ばされたらしく部屋の壁へめり込んでいた。
「な、なんでもないです、博士」
頭を布団から僅かに出すアトム。
お茶の水は壁から這い出るデルタを心配そうに見た。
「う…む。一体何があったか知らんが、大丈夫かね?」
「…は、はい。自分の事はご心配なく。
では、まだ仕事が残っていますので帰ります」
デルタはそう言いながら、体中についた埃をはらい立ち上がる。
「ああ、忙しい時なのにわざわざお見舞いすまんな。
……そうじゃ!!今手土産を用意しょう。
ちょっと待ってておくれ」
遠慮するデルタを余所にお茶の水はさっさと部屋を出て行った。
「あ、あたしチョコ渡しに行くんだったわ!」
「おれもヴァレンタインデーだし、ナンパしに行こ!」
それにつられるように、ウランとニトロはわざとらしい理由を付けて出て行く。
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