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「……なんだよ、アトムアトムって…
おれは、アトムじゃないのか?おれは、何なんだよ!」
アトム二世は、悲しげにお茶の水を見上げる。
お茶の水は膝を付き、倒れていたアトム二世を抱きしめた。
「…その話は、お前を修理しながら話すとしよう」
お茶の水は、アトム二世にこれまでの出来事全てを話した。
アトム二世は修理されながら黙って話を聞いていた。
「…すまない、アトム二世…
いずれ話す時が来ると思っていたが、まさかこんなに早く来るとは……
わしらを憎んでいるかね…?」
優しく問い掛けるお茶の水に、アトム二世は首を横に振った。
「…何となく、気がついてた。
回りの人達の反応や、特にウランなんか全然おれに懐かなかったし」
体を起こし、機能を確認しながらアトム二世は言った。
「逆にスッキリしたよ。一気に疑問が晴れた。
……おれ、アトムを助けに行ってくる」
その言葉に、驚きを隠せないお茶の水。
一瞬動きを止め、慌ててアトム二世の肩を掴んだ。
「な、なんじゃと!?いかん!危険すぎる!!」
「何を言ってるんだ?博士。
おれは一応アトムなんだ、心配いらないさ。
それにおれ、あのアトム割りと好きなんだ。子分にするって決めたから、助けに行かなきゃ」
そう言うと、アトム二世は飛び出した。
お茶の水が追いかけて何かを叫んでいたが、アトム二世は聞こうとはしなかった。
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