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「っつ……ちくしょう!最後の最後でレーザーが当たっちまった」
ふらりと立ち上がるその足に、レーザーによる深い傷がついていた。
「!そうだ、アトムは…」
本来の目的を思い出し、顔を上げる。
目の前には膨大なコンピュータと無数のコードにチューブ。
そして、それらの真ん中にカプセルが立て掛けられていた。
カプセル内には、未だ瞼を閉ざしているアトムの姿があった。
「!!!!アトム!!」
そう叫んだ瞬間、アトム二世の視界が光に包まれる。
倒れ込みざま、見えた景色の中に天馬がいた。
手には発砲したと思われる電気銃を持っている。
「トビオのコピーごときが、よくぞここまで来れたな。
褒めてやるが、それもここまでだ」
ゆっくりと近付いて来る天馬。
アトム二世は、力の出ない体を懸命に起こそうと踏ん張る。
だが、支える腕はガクガク震え、アトムを助ける所か抵抗すら出来なかった。
「さらばだ。コピー君」
その言葉を合図に、犬型ロボットが大量に現われ、吠え唸る。
(……くそっ!!もう、ここまでか…!!)
硬く目を瞑り、そう覚悟した。
暗い視界の中、今までの自分を思い出す。
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