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怠慢し、人を騙して、金を手に入れ、女にハマってしまった…
愚かな自分。
(ああ……おれは、なんて惨めなんだ)
正義の行いなど、微塵もして来なかった自分に、後悔の念が込み上げて来た。
(……せめて、アトムをちゃんと救出したかったな…)
ぎゅうっと腕に力を込め、これから襲って来るであろう痛みに耐える準備をした。
だが、いつまで経っても襲って来る気配がしない。
「………?」
恐る恐る顔を上げると、目の前には確かに犬型ロボット達が立っている。
なのに、ピクリとも動かないのだ。
「…な、なんだ!?一体、何がどうなっている!!!」
慌てふためく天馬の姿が目に映った。
コントローラーであろう機械をいじくりまわすが反応すら示さない。
すると、一体の犬型ロボットが動き出した。
そのロボットは、電気スイッチにのしかかる。
「い、いかん!!まだトビオを起こすな!!
記憶回路を修正していないのだぞ!」
天馬はその犬型ロボットを止めようと走るが、他のロボットに止められてしまった。
「やめろー!!!!」
ガチャン!
天馬の叫びは空しく響き、凄まじい電流音にかき消された。
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