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激しい光に包まれ、アトム二世は再び目を瞑る。
「っぐうぅ!!私の忠実なる下部達が……!!!
誰かが私のコンピュータをハッキングしたとでも言うのか!?
そんな馬鹿な!!誰が……一体誰がやったと言うんだ!!!」
天馬は、己の腕で光を防ぎながら予期せぬ出来事に混乱していた。
「それは、ぼくがやりました。天馬博士」
光が治まり始めた頃、澄みきった声がどこからともなく聞こえた。
カプセルが煙を吐き開いていく。
中にいたアトムはゆっくりと瞼を上げると、琥珀色に輝く瞳があらわになった。
「何だと…お前は先程まで眠っていたはずだ…
どうやってハッキングなどしたと言うのだ!!」
天馬は頭を掻きむしり、アトムを睨み付ける。
アトムはしっかり天馬を見て、その疑問に答えた。
「いいえ、ぼくは眠ってなどいませんでした。
ただ、ココロと体がリンクしていなかっただけだったんです」
アトムは自分の胸に手を当てる。
目を閉じ、話を続けた。
「ミサイルにやられたショックで、ぼくのココロは電子頭脳内に閉じ込められてしまった。
ぼくはデータ状態になっていたけど、確かに意識はあったんです。
これまでの出来事は、ちゃんと耳で聞いていましたよ」
もちろんキミの事もと、アトムはアトム二世を見ながらそう付け加える。
アトム二世は目を丸くして見つめ返した。
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